シンプラル法律事務所
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論点整理(破産管財手続)

論点の整理です(随時増やしていく予定です。)


破産管財人の地位
  ■議論の視点(伊藤p140)
(1) (1) 破産法律関係においける破産管財人の地位
ex.
破産財団に対する管理処分権の破産管財人による行使
裁判所や破産債権者と破産管財人の関係
否認権の行使主体
財団債権の債務者など
を合理的に説明できるか。
〜破産手続きの内部的法律関係をいかに矛盾なく説明できるか。
(2) (2) 破産管財人の職務遂行にあたっての指導理念をどこに求めるか
〜破産手続きの目的論に還元
@破産債権者の利益実現
A破産者の経済的再生
B社会正義の実現への配慮
×債権者代理説
×破産者代理説
(3) (3) 外部者との実体的法律関係
破産管財人が破産者と同視されるのか、差押債権者などと同様の第三者的地位を与えられるのか
■      ■実体法関係における破産管財人の法的地位(伊藤p239)
●       ●3つの基準 
@ @ 破産者と同視され、またはその一般承継人とみなされる破産管財人
法が破産手続開始を原因として従来の法律関係を変更する特別の規定を設けていない限り、破産管財人の法的地位は破産者と同視される。
いわゆる融通手形の受取人である破産者の破産管財人が手形金の支払を求めた場合に、振出人は、破産者に対するのと同様に、融通手形の抗弁を破産管財人に対して対抗しうるもので、対価欠缺や融通契約についての破産管財人の善意・悪意は問題とならない(最高裁昭和46.2.23)。

破産管財人が手形の第三取得者であるとすれば、振出人は悪意の抗弁(手形法17条)または一般悪意の抗弁を主張せざるを得ないが、破産管財人は第三取得者に当たらない。
A A 破産債権者の利益代表者としての破産管財人
破産手続開始決定が破産債権者の利益のために破産管財人に破産財団財産の管理処分権を付与⇒財団債権に対する差押債権者と類似の法律上の地位が破産管財人に認められる。
実体法が差押債権者の地位を保護している場合、その趣旨に照らして破産管財人も、破産手続開始の効力として、その時点における差押債権者と同様の地位を認められるし、また、破産手続開始前に債権者のうちのある者が現実に差押えを行っている場合には、破産管財人は、その効力を援用することが許される。 
B B 破産法その他の法律により特別の地位が与えられることがある。 
第三者が破産手続開始後に破産者の財産について登記をえた場合でも、その者が破産手続開始について悪意であれば、破産管財人は、その第三者の権利を否定できる(法49@)。
整理 破産管財人と外部の第三者との法律関係は、基本的に@の基準
←破産手続開始によって破産財団所属財産の帰属が変動するものではない。
実体法規がある法律関係について差押債権者に特別の地位を与えている場合には、破産管財人にも同様の地位が与えられる(Aの基準)。
破産法その他の法律が破産管財人に対して特別の地位を認めている場合には、Bの基準
   


財産処分
不動産  財団組入額  無常用の状態であっても、
5%〜10%程度を組み入れ。
放棄の場合の注意点 別除権の目的となっている不動産を破産財団から放棄
⇒別除権を有していた債権者は、競売の申立てをするか又は別除権を放棄して別除権の登記を抹消し、不足額を確定しない限り配当に参加できなくなる。
(ただし、根抵当権の極度額を超過した部分については配当に参加できる(法198C、196B後段))
●  法人破産の場合、財団放棄された不動産は清算会社に帰属。
but
破産手続開始決定によって従来の代表者との委任契約は終了。

財産の管理処分権との関係では、別除権者が別除権を放棄して配当に参加しようとする場合には、清算人選任の手続きをとる必要がある。
but
清算人選任にはある程度の時間を要するところ、現行法は除斥期間を最後は伊藤の場合は2週間(法198@)、簡易配当の場合は1週間(法205・198@)
⇒時間的に別除権放棄の手続が間に合わなくなる可能性あり。
規則56条は、財団放棄に伴う別除権者の不利益を回避するため、管財人は、法人の破産の場合において別除権の目的となっている不動産を財団から放棄するときには、放棄の2週間前までに別除権者にその旨を通知。

担保権者に対し、2週間程度の期間を定めた上、不動産を財団から放棄する方針であること、配当の見込みの有無及びその内容並びに別除権を放棄する場合には所定の回答期限までに放棄の意思表示をされたいと通知するのが一般的な扱い。
規定 破産規則 第56条(任意売却等に関する担保権者への通知)
破産管財人は、法第六十五条第二項に規定する担保権であって登記がされたものの目的である不動産の任意売却をしようとするときは、任意売却の二週間前までに、当該担保権を有する者に対し、任意売却をする旨及び任意売却の相手方の氏名又は名称を通知しなければならない。破産者が法人である場合において、破産管財人が当該不動産につき権利の放棄をしようとするときも、同様とする。

偏頗行為がある場合
免責との関係 規定 第252条(免責許可の決定の要件等)
裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。

三 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。
  本旨弁済は本号には当たらない。
否認 規定  第162条(特定の債権者に対する担保の供与等の否認)
次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。
一 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る
イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。
ロ 当該行為が破産手続開始の申立てがあった後にされたものである場合 破産手続開始の申立てがあったこと。

税金処理

137
★破産管財人の源泉徴収義務
■  ■破産手続前の源泉徴収 
破産手続開始前に破産者が源泉徴収⇒租税債権として財団債権又は優先的破産債権に。
■    ■破産管財人の源泉徴収義務 
 ● 1.弁護士である破産管財人は、自らの報酬の支払いについて、所得税法204条1項2号所定の源泉徴収義務を負う
2.弁護士である破産管財人の報酬に係る源泉所得税の債権は、旧破産法47条2号ただし書にいう「破産財団に関して生じたる」請求権に当たる。
3.破産管財人は、破産債権である所得税法199条所定の退職手当等の債権に対する配当について、同条所定の源泉徴収義務を負わない
最高裁H23.1.14
★ 
138 
  ★破産管財人報酬等の税務処理
  ■破産管財人の源泉徴収義務・納付義務 
破産管財人が、その業務を遂行するために履行補助者として旧従業員を雇い、あるいは、税理士等に業務を依頼。⇒その給与、報酬の支払について源泉徴収義務と納付義務を負う(所得183、204)。

破産管財人は、これら履行補助者によの給与等の支払の際に、所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月の10日までにこれを納付する必要。
源泉徴収義務違反に対しては、不納付加算税の賦課(国通67)だけでなく、刑事罰による制裁も規定(所得240@)。
■破産管財人報酬について 
■    ■履行補助者としての弁護士報酬について 
●破産管財が履行補助者として弁護士に特定業務を依頼した場合
税理士等に業務を依頼する場合と同様に、破産管財人に源泉徴収義務が生じる(所得204@(2))。
●破産管財人代理を選任した場合 
自らの権限を包括的に委任する破産管財人代理を裁判所の許可を得て選任(破産法77@)⇒当該破産管財人代理の報酬については、破産管財人と同様に裁判所が定めることができる(破産法87B)。

破産管財人の報酬と同じ扱い。

139   
    ★破産手続き開始後の事業年度と会社法 
年1回3月末決算の株式会社で、平成19年7月31日に破産手続開始決定の場合。
■  ■結論
@平成19年4月1日から平成19年7月31日(破産手続開始決定日)までの期間と、
A平成19年8月1日から平成20年3月31日までの期間
それぞれ当該株式会社の法人税法上の事業年度とみなされる。
■法人税法の「みなし事業年度」の規定
株式会社が事業年度の中途において解散(合併による解散を除く)
⇒法人税法上の事業年度の取扱いについては、同法14条1号により、
@その事業年度の開始の日から解散の日までの期間及び
A解散の日の翌日からその事業年度終了の日までの期間
をそれぞれ一事業年度とみなす。
■    ■破産手続開始決定の会社法上の取扱い 
規定 会社法 第471条(解散の事由)
株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。
五 破産手続開始の決定
会社法 第475条(清算の開始原因)
株式会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。
一 解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。)
会社法 第494条(貸借対照表等の作成及び保存)
清算株式会社は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。
説明 破産会社は破産手続きが終了しない限り「清算株式会社」とならない⇒会社法494条の適用なし。
⇒破産手続開始決定日の翌日以降の事業年度については、定款上の事業年度末を基準に事業年度を画する
株式会社が解散決議をした後に破産手続き
⇒既に清算株式会社であるため、会社法494@により各清算事業年度の貸借対照表等を作成。

140  
  ★破産管財事件における消費税の申告等(1)・・・解散事業年度
  ■課税の対象
●  消費税の課税対象:
国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付及び役務の提供と外国貨物の輸入(消費4)。
資産の譲渡、貸付及び役務の提供については、事業者は、国内において行った「課税資産の譲渡等」(消費2@(9))につき、消費税を治める義務がある(消費5@)。
国内において行われる「資産の譲渡等」(消費2@(8))のうち、土地や土地の上に存在する権利の譲渡及び貸付(1か月に満たない期間貸し付ける場合や駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合には課税対象となる。消費令8)、その他別表第1に掲げるものには、消費税は課税されない。。
破産管財人業務で注意すべき資産の譲渡等:
建物譲渡と商品の譲渡
株式等の有価証券の売却金(ゴルフ会員権の売却を除く)、土地売却金、土地の賃料は原則として非課税取引。
法人破産の場合や、個人破産でも不動産事業者の場合、別除権者の競売申立てにより建物が売却されると、財団の増殖と無関係に消費税が課される場合がある。

消費税が課される可能性がある場合には、競売により剰余金交付の可能性がないことを確認の上、買受人の代金納付前に当該建物を破産財団から放棄して消費税の負担を免れる必要。
■    ■消費税の計算
課税期間中の課税標準(消費税が課される取引の売上金額から消費税及び地方消費税を控除した税抜きの金額)に係る消費税額から課税期間中の課税仕入れにかかる消費税額を控除して消費税の納付額を計算(消費30以下)。 
商品の返品や割戻し等⇒当該返品等に係る金額は課税標準から控除される⇒商品の返品等があった場合には、当該返品等に係る金額は課税標準から控除
⇒商品の返品等が多額に上り、課税標準に係る消費税額よりも課税仕入に係る消費税額が多くなる場合には、消費税の還付の可能性がある。
●課税期間
法人の場合、原則として事業年度(消費19@二)。
破産手続開始決定日に事業年度が終了したものとみなされる(法人14(1))⇒
@通常の事業年度の開始の日から破産手続き開始決定日までの事業年度(解散事業年度)が課税期間となり、その後、
A清算事業年度及び清算確定事業年度が課税期間となる。(消費2@(13))
個人事業者の課税期間は、原則として1月1日から12月31日までで、破産手続によって変更されることはない。
  ■解散事業年度における確定申告
●  解散事業年度に課税資産の譲渡等があった場合、納付すべき消費税が見込まれる場合には、免税事業者に(消費9等)に該当しない限り確定申告を行うのが無難。
解散事業年度における確定申告は、課税期間の末日の翌日から2か月以内に行う(消費45)。
納付すべき消費税は原則として納税者の申告によって確定し(国通16@(1)、地方1@(8))、法定申告期限が法定納期限かつ具体的納期限となる(国通35、消費49)。
解散事業年度により納めるべき消費税は、破産法148@(3)により財団債権となる。
なお、中間申告(消費42)の期限前に破産手続開始決定がなされた場合等、解散事業年度における確定申告により、中間申告に基づき納付すべき消費税に係る交付要求が解除される場合がある。
  ■還付を受けるための申告・更正等(消費46@)
●仕入に係る消費税額の控除不足額の還付(消費52)
解散事業年度の売上税額よりも仕入税額が多い場合、差額の還付を受けることができる。
●中間納付額の控除不足額の還付(消費46@) 
解散事業年度の消費税額が当該事業年度の中間納付に係る消費税額を下回る場合、当該消費税の還付を受けることができる。
税法解釈や計算の誤り等によって過大な申告納税がなされているときは、原則として、過大な申告をした事業年度の法定申告期限から1年以内に限って税務署長に対し更正の請求をすることができる(国通23)。
法定申告期限から1年以内に限って税務署長に対し更正の請求をすることができる(国通23)。
法定申告期限から1年が経過していても原則として3年(税額減少更正の場合5年)を経過していなければ、税務署長の職権による更正(国通70@A)を受けることにより、納めすぎた消費税額の還付を受けることができる。
ただし、更正の請求(国通23)に関しては、消費税法56条(前課税期間の消費税額等の更正に伴う更正の請求の特例)で更正の請求の期限・手続に関し特例が設けられている。
消費税法上の還付を受けるための更正等には、
@確定申告等に係る更正による仕入れに係る消費税額の控除不足額の還付(消費54、国通24、26)、及び、
A確定申告等に係る更正又は決定による中間納付額の控除不足額の還付(消費55、国通24、25、26)がある。

141     
  ★破産管財事件における消費税の申告等(2)・・・清算事業年度・清算確定事業年度
  ■みなし事業年度
破産手続開始後の最初の消費税の課税期間は、破産手続開始決定の日の翌日から、通常の事業年度の終了の日まで。
  ■破産管財人の業務と消費税の納付義務
破産管財人に消費税の確定申告及び納付義務がある。
⇒破産管財人が課税資産の譲渡等を行う場合には、契約書等に諸費税額を明示するのが望ましい。
ex.破産管財人が、買主において取壊し予定である建物を対価なしで譲渡しようとする場合には、消費税が課されないように建物の対価が0円であることを明示すべき。
■消費税の申告
清算事業年度に、破産管財人が、国内において課税資産の譲渡等を行ったときは、各清算事業年度の末日の翌日から2ヶ月以内に、消費税の確定申告をする必要(消費45@本文)。
国内において課税資産の譲渡等がなく、かつ、納付すべき消費税がない場合には、消費税の確定申告をする義務はない(消費45@ただし書)が、消費税の還付がある場合には、消費税の確定申告をすることができる(消費46@)。
⇒このような場合、破産管財人は破産財団の増殖のためには確定申告を行うべき。
清算中の法人につきその残余財産が確定⇒その確定した日の属する清算事業年度の消費税の確定申告は、その残余財産の確定した日の翌日から1ヶ月以内(当該期間内に残余財産の最後の分配が行われる場合には、その行われる日の前日まで)にする必要(消費45C)。
⇒破産手続き中の法人については、破産管財人は、破産手続における破産財団の換価が終了し財産が確定した日の翌日から1ヶ月以内に清算確定事業年度の消費税の確定申告を行う必要。
清算確定事業年度の消費税について還付がある場合には、当該還付金も破産財団の一部を構成。
■    ■消費税の中間申告
法人の場合、前事業年度の消費税の年税額が48万円を超える場合、消費税の中間申告をする必要(消費42@)。
〜破産した法人の破産管財人による申告の場合も同様。
●  中間申告の期限(及びその納期限)
@前課税期間の消費税の年税額が4800万円を超える場合
〜課税期間開始の日以後1ヶ月ごとに区分した各期間につき、その各期間の末日の翌日から2ヶ月以内
A前課税期間の消費税の年税額が400万円を超え4800万円以下の場合
〜課税期間開始の日以後3ヶ月ごとに区分した各期間につき、その各期間の末日の翌日から2ヶ月以内
B前課税期間の消費税の年税額が48万円を超え400万円以下の場合
〜課税期間開始の日以後6ヶ月の各期間につき、その各期間の末日の翌日から2ヶ月以内
中間申告にしして、仮決算に基づいて申告・納付することが認められており、中間申告の対象期間を一課税期間とみなして仮決算を行い、それに基づいて納付すべき消費税額及び地方消費税額を計算することもできる(消費43@)。
仮決算による申告の場合、計算した税額がマイナスとなっても還付は受けられない。
■消費税の納付
破産手続開始後の清算事業年度及び清算確定事業年度に破産管財人が申告した消費税については、申告期限が納期限となるが(消費48、49)、その消費税の請求権は、破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権(破産法148@(2))として、財団債権となる。

142   
  ★法人破産における税務申告(1)・・・申告の必要性 
■解散事業年度の法人税等の申告
●還付を受けるための申告
破産財団に関する管理処分権の行使として申告を行うことができる。
破産に至った会社は大幅な赤い字に陥っていることが通例⇒法人税の納付が生じることは稀。
次のような税金の還付を受けるために税務申告をすることになる。
@利子・配当等の源泉所得税の還付
A都道府県民税の利子割額の納付
B法人税、消費税、地方税等の予定納税額の還付
C欠損金の繰戻還付
D仮想経理による課題申告位の更正に伴う過納金の還付
●税理士への依頼
申告には専門知識が必要⇒税理士等の専門家に依頼して行う方が無難。
従来からの顧問税理士や顧問会計士に依頼すると、手間をかけずにやってもらえそう。
but
顧問料の滞納ややる気なし⇒別の専門家に依頼。
●  ●消費税の申告 
赤字決算で申告納付すべき法人税がない場合でも、消費税の課税される取引あり
⇒消費税の申告が必要。
消費税の申告を税理士等に依頼して行う場合には、法人税の申告も同時にすることが一般的。
■    ■各清算事業年度の予納法人税の申告
●清算所得に対する法人税と予納法人税
解散の翌日から定款所定の事業年度ごとに予納法人税の申告が必要(法人102、105)。
清算法人に対しては、各事業年度の所得に対する通常の法人税の課税は行われず、残余財産が確定したときに清算所得が報じる場合にだけ、その清算所得に課税がされる(法人6、93)。
but
破産において残余財産が生じることは極めて稀⇒ほとんどの場合、清算所得が発生せずに終わる。
清算法人については各事業年度の所得に対する法人税は課税されない。
but
法人税法102、105は、清算手続が数事業年度にわたる場合に、各事業年度の所得を課税標準として、欠損金などと通算したうえで法人税を予納させる。

清算事務が長引くことによって清算所得に対する課税が著しく遅れることに対処するとともに、解散した法人が再び継続する等の場合に課税に空白が生じないようにする趣旨で設けられたもの。
●予納法人税は劣後的破産債権
予納法人税は財団債権には当たらず、劣後的破産債権(破産97(4)、99@(1))
(最高裁昭和62.4.21)。
(←破産法人が継続する場合は極めて例外的なことであり、このような例外的な場合に備えて予納法人税を破産債権位優先して徴収できるものとし、最後の配当が終了して清算所得の生じないことが確定した段階で予納額の還付を受けさせることとするのは合理性を欠く)
⇒破産管財人は一般の破産債権に対する配当がされた後でなければ、これを納付することはできないことになる。
●土地重課税
昭和48年の租税特別措置法63条の改正によって創設。
土地の譲渡益に対する重課税については、損益通算が認められず、たとえ清算所得が発生しない場合であっても納付しなければならない⇒財団債権(最高裁昭和62.4.21)(別除権者への優先弁済に充てられる部分の重課税は除かれる)
but
その後の不動産市況の低迷で必要性が乏しい⇒適用除外措置
●  ●予納申告の要否
破産会社にも法人税法102条及び105条の適用がある
⇒破産会社の破産管財人には、予納法人税が財団債権に当たるか否かを問わず、予納申告の義務がある(最高裁H4.10.20)。
⇒破産管財人は土地重課税制度が適用されなくても、予納申告の義務を負う。
破産会社の財務状態を的確に反映されて所得計算を行えば、予納法人全税が生じる場合はほとんどない。
●  ●予納法人税の納付
予納法人税は劣後債権⇒一般の破産債権の配当がなされるまでは納付することができない。
■清算確定事業年度の法人税
破産終結の時点で残余財産が存する場合(極めて稀なケース)

会社が管理処分権を回復して通常の清算手続に入り、すべての債務を完済して株主に分配すべき残余財産が確定した時に納税義務を負う。
清算所得に対する法人税は、残余財産が確定した日の翌日から1ヶ月以内に申告納付すべき(法人104、107)
⇒清算所得に対する法人税の納税義務者は、破産財団の破産管財人ではなく、破産手続終了後の破産法人(実際の手続をするのは、その清算人)となる。

143   
  ★法人破産における税務申告(2)・・・不申告・不納付と延滞税・加算税 
■解散事業年度の法人税
破産管財人は破産手続開始で終了する事業年度(解散事業年度)の法人税の申告・納付をする。
but
赤字決算の場合がほとんど⇒仮に怠っても、延滞税(国通60(1))や無申告加算税(国通66@(1))が課されることは極めて稀。
■予納法人税に関する延滞税・無申告加算税
予納法人税が計算上生じたい場合でも、破産管財人は予納法人税の申告等の義務はあるものの、土地重課税部分以外の部分の予納法人税は財団債権とはならない(最高裁昭和62.4.21、H4.10.20)⇒破産手続において実際に納付すべきものはない。
⇒最終的に清算所得がマイナスで納付法人税が発生しなかったときは、無申告加算税や延滞税等の賦課決定がなされることは通常はない。
■清算所得が発生した場合
かつて、ゴルフ場の破産事件で、破産財団に属する土地が値上がりし、破産債権者に全額弁済しても、なお残余財産が生じたことがあった。

通常の清算手続に入り、清算人の手で株主に対する残余財産の分配がなされた。

清算所得に対する法人税の申告・納付が必要に。

144  
  ★法人破産における地方税の申告 
■申告義務について
破産手続中の法人であっても、通常の清算中の会社と同様に、地方税に関しても法人税と同じく、解散事業年度の確定申告、清算予納申告、清算確定申告が必要。
破産管財人は、次年度の課税を避けるために廃止を提出することが奨励されているが、租税実務では本店(場合によっては破産管財人事務所)については申告すべきものとされている。
事業を廃止して、法人全申告もしていない法人については、地方税についても申告を要しない扱いがされている。
■支払うべき地方税について
法人の住民税(都道府県民税と市町村民税。東京都特別区だけは一括の処理)は、
@法人税割(法人税等の金額を課税標準にする。地方51,314の6)、
A均等割(当該地方公共団体の区域内に事務所等を有することに対し、資本等の金額や従業員数の区分によって税額が定まる。地方52、312)及び
B利子割(清算確定申告での還付請求の対象になる)から成る。
破産手続中の法人においては法人税額が発生しない⇒法人税割は実際には生じない⇒均等割について支払う(破産管財人としては、事業所廃止を理由にして均等割の支払も免れたいところ)。
法人の事業税は、所得割のほかに、資本金1億円以上の法人に対して付加価値割及び資本割が課される。
破産手続中の法人においては、所得割は実際には問題にならず、また、資本割の課税は行われない(地方72の21@ただし書)。
⇒付加価値税の対象になる。
含み益のある資産処分に伴って単年度損益が黒字になるような場合に課税が生じることがある。

145  
  ★個人破産における税務申告 
■所得税
●財団債権性・申告義務
破産管財人の行為によって生じた所得税は、「破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税」とはいえない⇒破産法148条1項3号の財団債権ではない。
個人破産の場合、所得税は、破産法148条1項2号の財団債権でもない。

破産財団に属する不動産に係る不動産所得(賃料収入)及び譲渡所得(売却利益)は破産者個人の所得⇒これらに対する所得税の申告・納税義務は破産者個人⇒破産者が自由財産の中から納税を行うべき。
源泉徴収税、予定納税額の還付又は純損失の繰戻しによる所得税の還付ができる場合には、当該還付請求権は破産財団を構成⇒破産管財人に申告権限がある。
実務上、申告義務は破産者個人でも、還付を受けるため破産管財人が申告を行う例が多い。
●優先的破産債権か
上記所得税は、破産手続開始前の原因に基づいて生じたものではない⇒破産債権(破産法2D)ではなく、当然に優先的破産債権でもない(破98)。
●譲渡所得に関する非課税
破産管財人が破産財団に属する財産を処分することによって譲渡所得が生じても、破産者個人が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合、破産者個人に対しても所得税は課税されない(所得9@(10)、国通2(10))。
■消費税
●課税の対象
土地(土地の上に存する権利を含む)の譲渡・貸付及び住宅の貸付は非課税。
この場合を除く賃料の収受(主に、住宅以外の建物の賃料)及び建物売却は消費税の課税対象。
●財団債権性及び破産管財人の納税義務・申告義務
破産管財人が破産財団に属する資産を処分したことに伴う消費税は財団債権。

@消費税は人税である所得税と異なり、物税であること
A破産財団の換価により生じたものであること、また、そもそも消費税が預り金の性格を有することを考慮すると、破産法148条1項2号の「破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権」に該当し、財団債権になる。
破産管財人が申告・納税を行うのが便宜であり、実務的にも、個人事業者(消費2@(3))の破産管財人は「事業者」(消費2@(4))に該当し、消費税の納税義務・申告義務を負うものとして処理が行われている。
破産者の基準期間(個人事業者についてはその前の前々年(消費2@(14))の課税売上高が1000万円以下である場合は、消費税を納める義務を免除される(消費9@)。)
事業者の消費税の申告は、所定の期間ごとに行う中間申告(消費42)及び課税期間(個人事業者の場合1月1日から12月31日までの期間(消費19@(1)))の翌年の3月31日(租特86ノ6@)までに行う確定申告がある(消費45)。
個人事業者の破産の場合には、法人破産の場合と異なり、破産手続開始決定により課税期間が変更されることはない。

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  ★破産管財人による税金の還付請求 
■ 

  ■法人破産の場合
●欠損金が生じているとき(法人80等) 
破産者が継続的に青色申告法人で(法人80C)、解散事業年度又は破産手続き開始前1年以内に終了した事業年度に欠損金額が生じており(同法80C)、欠損金額が生じた事業年度(欠損事業年度)の確定申告書を提出期限までに提出しているときは(同法80B)、破産手続開始後1年以内に請求することにより(同法80C)、欠損事業年度の開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度の所得に対する法人税の額の一部について繰戻還付を請求することができる(同法80Cによる同条@の準用)。
●過大申告による過納金があるとき(法人70等) 
税法解釈や計算の誤りによって破産者による過大な申告・納税がなされているときは、法定申告期限から1年以内に限って税務署長に対し更正の請求をすることができる(国通23@)。
過大申告をした事業年度の法定申告期限から1年が経過していても5年を経過していなければ、税務署長の職権による更正(国通70@(1))を受けることにより、納めすぎた法人税の還付を受けられる。
実務上、上申書ないし嘆願書を提出して職権発動を促している。
事実を仮装して経理すること(粉飾)による過大申告があったときも法定申告期限から5年以内であれば職権による更正はは排除されないが、納めすぎた税金は直ちには還付されず、当該事業年度開始の日から5年以内に開始する事業年度の所得に対する法人税の額から順次控除するのが原則(法人70@)。
but
破産者はその後の法人税発生の余地がない
⇒控除されていない残額は直ちに破産管財人に還付する扱いとなっている(国税不服審判所裁決昭和46.9.27参照)。
●利子及び配当等につき源泉徴収されているとき(法人78) 
破産者が解散事業年度に利子及び配当等の支払を受けて源泉徴収(所得212B)されているときは、源泉徴収された金額のうち解散事業年度の法人税額から控除(法人68@・所得174)しきれなかった部分を解散事業年度の確定申告書に記載すれば(法人74@(3))、還付を受けることができる(法人78@)。
同様の還付は清算事業年度についても受けられる(同法109@)。
都道府県民税における法人税割から控除しきれなかった利子割の還付についても同様。
●中間申告により納税しているとき(消費52) 
破産者が解散事業年度において中間申告(法人71@本文)に係る法人税を納付(同法76)しているときは、解散事業年度の法人税額から控除(同法74@(4))しきれなかった部分を解散事業年度の確定申告書に記載すれば(同法74@(5))、還付を受けることができる(同法79@)。
消費税・地方税についても同様(消費45@(5)、地方17の3@反対解釈)
●仕入れに要した消費税額等を控除しきれないとき(消費52) 
解散事業年度における売上に対する消費税額から仕入に係る消費税額等を控除しきれないときは、控除しきれない金額を確定申告に記載することにより(消費45@(5)、46@)、還付を受けることができる(同法52@)。
  ■個人破産の場合
●源泉徴収された金額が所得税額より多いとき(所得138) 
破産者が源泉徴収された金額を破産者が納めるべき所得税額から控除しきれないときは、控除しきれない黄なg句を確定申告書に記載した上で(所得120@(6))、123A(7))、破産管財人から確定申告書を提出すれば、「当該申告書を提出した者」として破産管財人が還付を受けられる(同法138@)。
自由財産となるべき収入から源泉徴収がされていることもあり得る⇒還付請求権全部が財団を構成しているか検討が必要。
破産者本人が確定申告書を提出したときでも、還付請求権が財団を構成していれば、破産者本人に対して引き渡しを請求できる。
●予定納税した金額が所得税額より多いとき(所得139) 
予定納税をした黄なg句を納めるべき所得税額から控除しけれない⇒控除しきれない金額を確定申告書に記載したうえで(所得120@(8)、123A(8))、破産管財人が確定申告書を提出⇒「当該申告書を提出した者」として破産管財人が還付をうえkられる(同法139@)。
破産手続き開始決定後に自由財産から予定納税をしていることもあり得る⇒還付請求権全部が財団を構成しているか検討が必要。
破産者本人が確定申告書を提出したときも同様。
●  ●純損失額を繰り戻せるとき(所得140) 
破産者が青色申告をしていて、準sン質が発生⇒純損失額の繰戻しによる所得税の還付を受けることができる(所得140@)。
●仕入に要した消費税額等を控除しきれないとき(消費52)
破産者が事業者⇒消費税については法人破産の場合と同様。

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  ★破産債権者における税務処理 
■    ■申立てのあった事業年度(無税の貸倒引当金)
●  ●無税の貸倒引当金 
○形式基準による貸倒引当金(法人令96@三)
債務者である株式会社二ついて、民事再生手続・破産手続開始の申立て

債権者である銀行等は、銀行等の事業年度末において、当該債務者に対する個別の金銭債権の額から、担保権及び保証(金融機関又は保証期間によるもの)により取立てなどの見込みがあると認められる金額を除いた額の50%の額につき、無税の「個別評価貸倒引当金」を引き当て、損金算入できる(法人52@、法人令96@)。
損金算入には、貸倒引当金としての損金経理が必要であり、申告調整のみによることは認められない。
個別評価貸倒引当金を引き当てること=「間接償却」
○実質基準による貸倒引当金(法人令96@二) 
@債務超過の状態が相当期間継続し(実質債務超過でよい)、
A事業に好転の見通しがない等の事由により取立て等の見込みがない額が上記の50%を超えることを証明できるのであれば、
「実質基準」により50%超の金額につき無税の個別評価貸倒引当金を引き当てることができる(法人令96@二)。
国税当局に対する証明のためには、証拠書類の提出等、債務会社及び破産管財人等の協力が不可欠。
○洗替え方式 
法人税法上の個別評価貸倒引当金は、洗替え方式。
翌事業年度末には全額を取り崩し(法人52H)、民事再生等の手続は終結していなければ、改めて所要の額を引き当てる。
その際、担保評価額は毎年見直す必要がある。
●有税の貸倒引当金 
銀行等では、民事再生又は破産手続の開始の申立てのあった事業年度以前に、自己査定に基づき、当該債務会社を「破綻懸念先」と査定し、自己の「償却引当基準」に基づき、個別評価貸倒引当金を引当て済みの場合がある。
その段階では、当該貸倒引当金は有税扱いとし、税公会計を適用しているのが一般的。
民事再生・破産手続開始の申立てにより、無税の個別評価貸倒引当金が引き当てられることになる⇒当該期末においては、洗替えにより全部又は一部が無税の貸倒引当金として引き当てられる。
●W分類直接償却の取扱い 
銀行の自己査定制度においては、債務者について民事再生・破産手続開始の申立て⇒ただちに当該債務者は「破綻先」となり、破綻先に対する貸付金は「第W分類」となる。
⇒償却引当基準等によれば、銀行の貸借対照表上の債権額から直接減額(「直接償却」)しなければならない(W分類直接償却)。
民事再生手続開始が申し立てられただけでは、税務上の「貸倒損失」(直接償却)は損金とされないし、他方、銀行資産上の貸付金がなければ無税の貸倒引当金の引当てはできない。

無税の貸倒引当金は「貸倒引当金」として表示するのが原則⇒形式基準等を充たしていても、W分類直接償却として処理すると損金算入できなくなるかどうかが問題。

法基通11-2-7は、W分類直接償却を行った場合でも、財務諸表の注記、総勘定元帳及び確定申告書等に所要の記載をしておけば、税務上は個別評価貸倒引当金の繰入として取り扱う。
●保証人の取扱い 
形式基準の無税貸倒引当金の場合、保証付きとされるのは金融機関又は保証機関の保証だけ
⇒社長の個人保証等があっても損金算入額に影響なし。
実質基準の場合、個人保証であっても、回収見込額を算定するのが原則。

法基通11-2-7は、保証人の年収額が保証債務額から担保物等の価額を控除した額の5%未満であれば、保証による回収可能額を顧慮しないことができる。

この通達は、貸倒引当金についてのみ適用され、直接償却の場合には適用されない。
■民事再生計画認可決定による貸倒損失(直接償却)
再生計画の認可決定により切り捨てられることになった部分の金額は、再生計画認可決定日の属する事業年度において、「貸倒れとして損金の額に算入する」とされる(法基通9-6-1(1))。
損金経理が要件とされない⇒銀行等がこれを「貸出金償却」等として財務上損失に計上したか否かにかかわらず損金算入される。
法基通9-4-1により損金とされるのは金銭債権の貸倒損失だけ

親会社等が支援損として現金贈与したり、あるいは形式的には貸付及び債権切捨ての形がとられていても実質的には現金贈与のにはかならない場合等は、別途、当該支援が法基通9-4-2の要件を満たさなければ、税務上寄附金(法37)とされる可能性がある。
■破産債権による貸倒損失(直接償却)
破産債権については切捨てとう制度がない
⇒法基通9-6-1には、破産債権の貸倒損失については規定なし。
⇒破産債権についてはは、法基通9-6-1の「形式基準」によっては無税直接償却できず、同9-6-2の「実質基準」により貸倒処理する取扱い。
「実質基準」による直接償却の場合は、当該債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかでなければならず、担保物があるときは当該担保物を処分した後でなければ無税直接償却処理ができない。
一部でも回収見込みがある場合には無税償却ができず、破産手続が廃止になっても必ずしも全額回収不能であるとはいえない⇒銀行等としては、全額回収不能であることの証拠資料を揃える必要。
特に個人補償等がある場合には、個人の支払能力を立証することに困難を伴う
⇒破産管財にへの協力要請がある場合もある。
法基通9-6-2は、9-6-1と異なり損金経理をようけんとしている
⇒債権者が財務上、償却損失を計上しなければ、税務上も損金とは認められず、他方、「その明らかになった事業年度」の損金経理が必要であり、損失処理の翌期以降の繰延べは認められない。
■貸倒損失時の貸倒引当金の取扱い
法基通9-6-1又は9-6-2により債権の貸倒損失が計上された場合に、既に前期以前に無税の貸倒引当金が引当て済みの場合には、取り崩された当該貸倒引当金の戻入益は、銀行等では、「目的使用」等として決算上は貸倒損失としてネットして表示されることが一般的。

既に十分な貸倒引当てがなされていた場合には、民事再生又は破産手続の最終処理が行われた事業年度においては決算上の追加損失は計上されない。

148   
  ★破産手続における免除益課税 
■民事再生手続と破産手続における免除益課税の取扱い
破産手続の場合における免除益課税は、問題が顕在化することは少ない。
⇒法令等上も一定の緩和措置ないし非課税措置がとられている。
民事再生手続では、債務免除益の時期について特に定めがない場合、再生債権については、再生計画の認可決定の確定時に免除の効力(民再179@)、その時点で債務免除益が発生。
この免除益に課税⇒資金の裏付けのなり利益に対する課税となり、再生計画実行のための弁済原資確保の障害となる

資産評価損の損金算入(法人33B)、期限切れ欠損金の損金算入(法人59A)のような特例が設けられている。
■    ■法人破産の場合
破産手続終了⇒法人は消滅(破産法35)⇒配当を受けられなかった債権は確定的に消滅。
債権の放棄・消滅に伴う債務免除益についても、通常は、法人税課税の対象となるが、法人破産の場合、一定の制限が設けられている。
●清算事業年度中の債務免除 
会社が破産⇒解散(会社法471条)。
破産手続中であっても、残余財産が確定するまでの間、各事業年度が終了した場合には、その事業年度について、通常の事業年度と同様に所得金額を計算し、清算事業年度予納申告を行う必要(法人102@、105、108)。
所得金額の計算にあたり、債務の免除を受けた法人は、前7年以内に生じた青色欠損金がある場合、その欠損金を損金に算入し得る⇒債務免除席が生じたとしても、この欠損金と相殺される範囲では法人税は課税されない。
法人破産の場合には、債務免除益額が前7年内に生じた青色欠損金と超える場合でも、一定の範囲内で、損金の額に算入し得る欠損金額が拡大されており(法人59A、法人令117,118)、免除席課税が制限。
●  ●清算確定事業年度中の債務免除
残余財産確定日の属する事業年度は、予納申告ではなく(法人102)、清算確定申告を行う(法人104)。
解散による清算所得の金額は、残余財産の価額から資本金等利益積立金の金額を控除した金額であり(法人93)、免除益自体は課税対象でない。

法人破産の場合、配当を受けられなかった債権額部分や免除がされた債権については、法人税課税の対象とならない。
    ■個人破産の場合
●債権者が法人である場合 
債権者が法人である場合、債務の放棄・免除を受けた個人債務者は、一時所得(所得34)、事業所得(所得27.個人事業者の場合)又は雑所得(所得35)を得たことになる(贈与税は、相続21の3@一により非課税)。
ただし、債務者が資力を有しない場合に免除益に課税することは酷⇒通達上例外が設けられている。
所基通36-17は、要旨、「債務免除益のうち、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合に受けたものについては、各種所得の金額の計算上収入金額又は総収入金額に算入しないものとする」と定めている。

個人破産者は、通常、資力喪失状態にあるといえる⇒免除益には課税されないことになる。
●  ●債権者が個人である場合 
債権者が個人である場合、債務の放棄・免除を受けた個人債務者は、贈与(相続8)が問題。
この点、相続税法8条ただし書では、「債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、当該債務の免除を受けたとき」は、同債務弁済困難部分の金額については、贈与所得としない旨定められている。
所得税については非課税(所得9@十五)。

免除益に課税されない。